Interviewお客様インタビュー
潮風香る街に建築したのは
オンリーワンの賃貸住宅
不動産投資の大きな目的である「収益性の追求」。しかし、ときには収益性だけでは語れない、オーナーの理想や美意識がやどる賃貸物件に出会うことがあります。鎌倉という場所に生まれたTさまの建物もそのひとつ。賃貸住宅とは思えないほど贅沢な佇まいが実現したプロジェクトの経緯を、オーナーであるTさまに伺いました。
鎌倉に物件を持つことを夢見て
2年ほど土地さがし
本業でお勤めもしながら、賃貸オーナーでもあるTさま。新築を建てた経験もありますが、今回の物件には特別な思い入れがありました。
「『鎌倉に建てたい』という夢があって、ずっと土地を探していたんです。実は僕自身も海の側で育ったのですが、サーフィンもしないし、若いころはあまり興味が持てなくて……。でも、この歳になって、泳ぐとかじゃなくても生活の中に海があるっていいなと思うようになったんですよね」。
所有物件2棟を売却して土地の購入・建築費用に充てることを決意し、鎌倉で土地探しをスタート。しかし、人気が高く宅地がなかなか売りに出ないエリアということもあり、理想の土地に出会えないまま2年もの年月が流れました。
「投資という目で見たとき、運用ができない期間は損失なので、一時はあきらめかけました。でもある日、協力をお願いしていた不動産コンサルタントのKさんから、明らかにこれまでと違うテンションの連絡があって」。
信頼するK氏の反応を見れば分かる、と次の日に申し込み。ケーナインとの出会いもK氏の紹介によるものでした。
画一的な賃貸住宅ではなく
細部まで納得のいくプランを
設計担当者との打ち合わせにあたり、実現したいイメージやデザインの写真をあらかじめメールで共有したTさま。送った写真の数は、なんと300点以上にものぼりました。
「国内外のホテルやお店など、私がカッコイイと感じる建物の写真を集めて送りました。妥協せず、全力投球で夢を語ることで、ケーナインさんの全力も見たかったから」。
Tさまが求めたのは『高級ゴルフクラブやリゾートホテルのような、自然とデザインが美しく融合した空間』。感性に直接訴えかけてくるような、シンプルだけど計算され尽くしたものに惹かれる、と語ります。
「ずいぶん抽象的で、いま思えば分かりにくかったかもしれないですね(笑)。もちろん三方道路という恵まれた立地や、鎌倉というエリアの優位性を生かした間取りプラン・デザインであること、賃貸物件として差別化されていることは大前提でした」。
立地と空間を最大限に活用した
全室角部屋の贅沢なつくり
Tさまの要望に応えてケーナインが提案したのは、ワンフロアに4戸を備える3階建て。コの字型の中央にあるエントランスから四方へ分かれる各部屋はほぼ正方形に近いかたちで、すべて角部屋となります。
「他社でいただいたプランは縦長の部屋が4部屋並ぶいわゆる『羊羹切り』。ムダがなく機能的ですが、個性には欠けますよね。あえて鎌倉で土地を買ったのだから、ありきたりじゃない、オンリーワンの物件にしたかった」。
「メゾネットにしたい」という要望が高さ制限により実現できなかった代わりに、1階の部屋は天井高を上げてスキップフロアに。階段で上がる隠れ家的スペースは、上下にたっぷり収納を設けた立体的なつくりとなっています。広めの土間からバスルームに直行できるところも、サーフィンをする人には嬉しい仕様。
3階は専用のルーフバルコニー付きで、海はもちろん、鎌倉ならではの美しい景観をひとり占めできます。室内は、ルーフバルコニーに続くスケルトン階段がフォーカルポイントに。階段のほか、ステンレスのキッチンや手すりなど、全ての部屋の随所にブラックスチールを用いて空間を引き締めています。
「土間、屋上、海と潮風。これらがある生活にしたかったんです。それぞれの部屋にテーマカラーを設けて、土間のフロアタイルの色まで変えているんですよ。ザックリとしたテーマでこれだけカタチにできるなんて、ケーナインさんはさすがのセンスだと思いましたね」。
遺跡や建築条例など
歴史ある街だからこその苦労も
無事プランも決まり、近隣住民への説明会も開催。古くから愛着をもってお住まいの方が多いエリアのため、この工程は丁寧に進める必要がありました。
また、着工後も心配なことが。地盤調査で埋蔵文化財が見つかった場合は、発掘調査のために全ての建築を中止しなければなりません。
「ちょうど近所で何かの遺跡が見つかったとかで、分譲マンションの建築が1年ぐらいストップしているんですよ。ドキドキしましたが、幸いうちの土地からは何も出ることはなく、関係者一同ホッとしました。
それ以外にも鎌倉市って条例とか建築指導要綱とか、とにかく色々制約が多いんです。ケーナインの設計士さんが、確認や調整のために何度も鎌倉市役所に足を運んでくれましたね」。
足しげく通ううち、市役所の職員ともすっかり打ちとけたという設計担当。近隣住民への説明には、市役所からも何度か同行してくれたそうです。
相場より2割ほど高い家賃でも
見た人は即決の人気物件へ
できあがった建物は、白と天然石調サイディングの組み合わせが印象的なモダンリゾートの佇まい。窓が多く植栽もこだわって選んでいるため、個人の邸宅のような趣があります。
「初めてみたときの率直な感想は『やっぱりいいなぁ』。自分が住みたいくらいでした。これなら充分戦えるだろう、とエリア相場より2~3万円高い家賃設定ですが、内見に来てもらえるとだいたいすぐ決まりますね」。
スキップフロアの立体的な空間設計や屋上の開放感は、間取図や写真ではなかなか伝わりづらいもの。実際に見た人は「こんなに広いと思わなかった!」と㎡数以上の空間の広がりに驚くそう。当初の狙い通り、平日は都心や近郊で働き、週末はサーフィンなどをアクティブに楽しむ方々に選ばれています。
「内見希望の方と管理会社の担当者がお部屋の案内に来た時、そのフロアにすでに住んでいる方が出てきて『ここイイですよ』ってオススメしてくれたんだそうです。入居者の方にファンになってもらえるのは本当に嬉しいですね」。
夏はきっと、屋上から鎌倉の花火を楽しんでもらえるはず。もう少ししたら植栽も育って、より美しい建物になると思う。……と、入居者の幸せな暮らしのイメージを、目を輝かせながら話すTさま。
最後に、賃貸住宅を建てたいと思っている人にアドバイスを、とお願いしたところ、このようなお言葉をいただきました。
「正直なところ、ケーナインさんのことは他の人に内緒にしておきたいぐらいですね。投資家としては、とっておきは人に教えず、隠しておきたいものですから(笑)」。