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「家を買うとかかる税金にはどんなものがある?
軽減措置や納税の方法は?
新築住宅を購入したり、注文住宅を建てたときには、土地の代金や建築費用の他にもさまざまな税金がかかります。また、新築時だけでなく、毎年払わないといけない税金も発生します。それぞれどんな税金なのか、どれくらいの金額をどのように払うのかをまとめました。マイホーム取得のための資金計画には、必ずこれらの税金も含めるようにしましょう。

新築住宅の購入時や注文住宅を建てたときにかかるお金①「消費税」
課税されるのは建物だけで、土地は非課税
まず、最も大きなものが消費税です。私たちの普段のお買い物と同じように、建物の取得にも消費税が課せられます。税率は10%で、建築費が3,000万円の場合、「3,000万円×10%=300万円」。大きな買い物となる住宅取得において、消費税は見過ごせない金額です。
ただし、土地の取引は非課税となるため、土地を購入した分には消費税はかかりません。例えば新築分譲住宅で「8,300万円(消費税300万円込)」となっていた場合、建物価格が3,000万円で土地価格が5,000万円であることが分かります。販売価格には消費税込みの金額が明記されています。
建物の価格の他に、不動産会社の仲介を通して家を購入した場合は、仲介手数料にも消費税がかかります。登記手続き等を司法書士に依頼したときの報酬や、住宅ローンの融資手数料も消費税の課税対象となることを覚えておきましょう。
新築住宅の購入時や注文住宅を建てたときにかかるお金②「印紙税」
売買契約や住宅ローンの契約書に貼って納税
家を購入するときには、不動産会社や建築会社と売買契約や工事請負契約を結びます。住宅ローンで融資を受けて買うのであれば、金融機関とローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶことになります。
これらの契約書にかかるのが「印紙税」です。税額は取引金額によって次のように定められていますが、2027(令和9)年3月31日まではそれぞれ軽減措置がとられています。
記載された契約金額 | 税額(本則) | 軽減税率(2027(令和9)年3月31日まで) |
---|---|---|
500万円超1千万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1千万円超5千万円以下 | 2万円 | 10,000円 |
5千万円超1億円以下 | 6万円 | 30,000円 |
印紙税は、契約書に印紙を貼って、そこに印鑑を押すことで納税するかたちになります。
新築住宅の購入時や注文住宅を建てたときにかかるお金③「登録免許税」
所有権や抵当権の登記に課税
土地や建物などの不動産を購入したときには、自分が不動産の所有者であることを登記する必要があります。その手続きにかかるのが登録免許税です。
課税額は土地と建物それぞれの課税標準額(税率をかけるもとになる不動産の価格)に決まった税率をかけて算出しますが、条件に応じて軽減税率が適用されます。税率は不動産の取得方法によって異なり、土地を購入して自宅を新築したり、新築分譲住宅を購入した場合の税率と軽減税率は次の通りです。
土地(売買による所有権移転登記) | 税率2% | 2026(令和8)年3月31日までは軽減税率1.5% |
---|---|---|
建物(所有権の保存登記) | 税率0.4% | 2027(令和9)年3月31日までは軽減税率0.15% |
建物の軽減税率を受けるには、「床面積が50㎡以上」「新築または取得後1年以内」などの条件があります。長期優良住宅などの省エネ住宅であれば、さらに税率0.1%まで軽減されます。
さらに、住宅ローンを利用する場合は不動産に抵当権を設定登記するための登録免許税がかかります。税額は「借入額×0.1%(2027(令和9)年3月31日)まで。以降は0.4%」です。
登録免許税は金融機関を通して現金納付、もしくはオンライン申請であれば電子納付も可能です。いずれの場合も領収証書を登記申請書に貼付けて法務局に提出します。
新築住宅の購入時や注文住宅を建てたときにかかるお金④「不動産取得税」
入居してしばらくすると納税通知が届く
不動産取得税は都道府県に納税する地方税です。不動産登記をしてからだいたい4~6か月後に納税通知書が届きます。注文住宅を新築した場合は価格決定の手続きがあるため、もう少し時間がかかる場合があります。
納税通知書による金融機関・コンビニエンスストアでの納付のほか、Pay-easy(ペイジー)などによる電子納付が可能です。
不動産取得税の税率は土地・住宅ともに本則4%ですが、2027(令和9)年3月31日までは軽減税率3%が適用されます。さらに、建物は課税標準額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)を控除したものに税率3%をかけるという軽減措置があります。
土地は「課税標準額の1/2×税率3%」から「土地1㎡あたりの課税標準額 の1/2× 住宅の床面積の2倍(上限200㎡)× 3%」もしくは4万5,000円の高い方を減額します。
軽減措置には「床面積50~240㎡」などの適用条件があります。不動産取得税は計算方法が少し複雑なのですが、東京都が計算ツールをリリースしていますので、そこから概算を求めることができます。

家を手に入れると、これから毎年かかる税金
「固定資産税」と「都市計画税」
固定資産税と都市計画税は、不動産など固定資産を所有している人にかかる地方税で、市町村(東京23区は東京都)に納税します。1月1日(賦課期日)時点で所有している固定資産について、毎年4~5月頃に納税通知書が発送されます。
固定資産税の税率は1.4%、都市計画税は0.3%で、土地と建物それぞれの課税標準額に税率をかけて税額をもとめます。都市計画税は自治体によって異なることもあります。
住宅用の土地については、1戸につき敷地面積が200㎡までの部分を「小規模住宅用地」といい、課税標準額を固定資産税は1/6、都市計画税を1/3に減税される特例措置があります。
さらに、2026(令和8)年3月31日までは新築住宅にかかる固定資産税が3年間1/2に減額されます。長期優良住宅の場合はさらに優遇が手厚くなります。
もし、住宅を購入もしくは建築するための資金(住宅取得資金)の一部を親や祖父母から援助してもらう場合は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」を使うことができます。
これは、一定の要件を満たせば、省エネ住宅等で1,000万円、それ以外の住宅で500万円、贈与税が非課税になるというもの。2026(令和8)年3月31日までの贈与に対して適用されます。
家を買うとかかる税金
税金の種類 | 課税の タイミング |
概要 |
---|---|---|
消費税 | 取得時 | 引き渡し時に建物に対して税率10%を支払う。土地は非課税 |
印紙税 | 取得時 | 契約書に収入印紙を貼って納税。税額は契約金額によって異なり、1,000万円超~5,000万円以下の取引で2万円(2027(令和9)年.3月.31日31までは1万円に軽減) |
登録免許税 | 取得時 | 所有権や抵当権の登記に課税 土地は税率2%(2027.3.312027(令和9)年3月31日まで1.5%に軽減) 建物は税率0.4%(2027(令和9)年3月31日2027.3.31まで0.15%に軽減) |
不動産取得税 | 取得時 | 取得後4~6か月後に納税通知書が届く。税率は土地・住宅ともに本則4%だが、3%に軽減(2027(令和9)年3月31日2027.3.31まで) |
固定資産税 | 毎年 | 毎年4~5月頃に納税通知書が届く。税率は1.4%だが小規模住宅用地や新築住宅への軽減措置あり |
都市計画税 | 毎年 | 固定資産税と一緒に納税通知書が届く。税率は0.3%だが自治体によって異なる場合も。小規模住宅用地への軽減措置あり |

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新築住宅を購入したり、注文住宅を建てたときだけでなく、住んでから毎年税金がかかることが分かりました。住宅の購入・建築費用やランニングコストには、税金を入れて予算を組んでおきましょう。ローン返済や税金など、資金計画で少しでも気になることがあったら、お気軽にご質問ください。