Interviewお客様インタビュー
奥さまの思い出がつまった土地を活用して
安定した賃貸経営を実現
奥さまが育った土地にアパートを建て、賃貸経営に乗り出したIさま。画家だったというお義父さまから引き継いだ土地に建てた物件には、ご家族全員の想いやこだわり、創意工夫が盛り込まれています。それらを形にしたケーナインとの出会いや、収益を安定させるための狙いについてお聞きしました。
当初は売却予定だったものの
奥さまの思い入れは強く
駅からいくつかの商店街を抜けて、閑静な住宅地へ。都心のターミナル駅から一駅という利便性を備えながらも、どこかのんびりと愛着がもてる街並みのなかに、Iさま所有のアパートはあります。都内勤務の会社員や子連れのご家族が多く、近隣には保育園や公園、スーパーなどが複数ある、暮らしやすい環境です。
「実はここは、妻の実家が建っていた場所なんです」とIさま。奥さまが相続されてから数年、空家となったご実家の維持や将来の計画について結論が出ない状態が続いていました。「固定資産税もかかるため、ここは売却して定年後の生活費に充てようと考えていたんです」。
しかし、奥さまにとっては、生まれ育った愛着のある土地。一時は売却に納得していたものの、ご両親の思い出が残るこの場所を手放す決心がつかず、長い間ほぼ空き家状態になっていました。
売却するか、それともローンを組んでアパートを建てるか。「かなり悩みましたが、最終的に妻の希望を優先してアパートを建てることにしました。私としては全くの未体験の分野。そのため、かなりのプレッシャーでした」と当時の心境を語るIさまです。
こだわりと収益を両立させる
建築会社探しに悪戦苦闘
「まずは建築会社探し」ということで、ご友人がお付き合いのあったハウスメーカー数社に相談してみることにしたIさま。賃貸アパート建築の実績も多い、大手のハウスメーカーです。提案されたのは、2人暮らしから小さい子どもがいるファミリーの入居までを想定した、40㎡程度の居室を6戸備えるプランでした。
周辺エリアはワンルームが飽和状態。さらに、区の条例で30㎡未満の居室を9戸以上備える集合住宅の建築には、一戸あたり50万円が課税されます。「それもあってこのプランになったという理由は分かるんですが、収益を考えた場合、6戸では不安が残ります。見積もり金額も予算よりオーバーしており、35年ローンでの提案でした」。
35年ローンでは息子さんの代まで負担をかけてしまうことになる、と懸念されたIさま。「事業計画書についても、空室率や大規模修繕費等を過小評価しているのではないかと感じたこともあり、再度のプランニングを要望しましたが、ハウスメーカーの担当者からは別案の提案はなく、建設費も相対的に高いことを含めて、オーナーが最大限の収益を上げることを目的とする、顧客目線の設計提案はほぼ期待できませんでした。」
アパートづくりにかける想いまでくじかれてしまったIさま。ちょうど新型コロナウイルスの流行で外出が制限された時期でもあり、いったん建築会社探しを中断。その期間に、改めて賃貸経営について勉強されたそうです。
中断していたアパートづくりを再開。
ケーナインの対応力に手応えを実感
それから半年ほど経ち、コロナが落ちつきそうな目途がたったため、アパートづくりを再開することに。ケーナインともその頃、ご親族の紹介で出会いました。
「ケーナインが提示してくれた事業収支計画は、ハウスメーカーのものに比べると圧倒的に実情に即していると感じました。アパート需要についても周辺の賃貸マーケットの状況を詳細に調査して、区の課税対象からも外れて、かつ収益性が大きい間取りを提案してくれました」。
さらに、Iさまが打合せで気になったことや、思いついた要望を伝えたら、次の時はそれを反映したプランを持参したケーナイン。「この対応力が、私たちに必要なものだ」と、正式に依頼を決められました。
現場での月一定例会で
細部まで要望を反映
最終的なプランは、1階にワンルーム4戸、2階と3階にそれぞれ1LDKを3戸備えたもの。計10戸で区の課税対象からも外れます。「ワンルームが収益は高いけど、収益ばかりを求める物件にもしたくないという気持ちもあったので、ワンルームも備えつつ、ディンクス向けの1LDKも6戸あるバランスのいいプランにしたいと思いました」。
1LDKは周辺に通勤するリッチシングルの需要も満たすため、それも安定経営につながるのでは、と考えたIさま。最初に提案されたハウスメーカーのプランの約1.5倍の収益が見込めたため、ローン返済期間も木造の減価償却を考慮した22年以内に設定しました。
「目の肥えた方に長く住んでもらえるように、アパートとはいえマンションのような外観や仕様、デザインにこだわりました」。オートロックの共用扉やその中に設置された自転車置き場、雁行する美しい外観デザインなどは、Iさまご家族とケーナインが打合せを繰り返すなかで生まれたものです。
さらに、工事が始まってからも現場で月一回の定例打合せを実施。「収納部や照明など、細部まで要望に応えてくれましたね。対応も早くて感心しました」とアパートづくりを振り返ります。
森を描くキャンバスに
義父への想いを乗せて
プラン作りにはIさまだけでなく、奥さまと息子さんも積極的に関わられました。「アパートを建てることが決まってからは、これまで消極的だった妻から次々と要望が出てくるようになりました。また、それまで家のことについてほとんど興味を示さなかった息子も、非常事態ととらえたのか、様々なアイデアを出してくれています」。
例えば、外観デザインで印象的な、エントランス側に縦に走る木格子。こちらは奥さまの「木の家のぬくもりを表現したい」という希望に合わせて、息子さんが考案したもの。
物件名である「フォレステーラ」は、英語のフォレスト(Forest =森)に、イタリア語で「キャンバス」を意味するテーラ(Tela)を合わせています。風景画に定評があり、ヨーロッパの美しい森の風景をよく描かれていたお義父さまにちなんで、息子さんが発案し、Iさまと奥さまが造語として完成させました。息子さんがデザインした館銘板は、ケーナインによる特注品です。
「アパート建設を通して家族の絆が深まったと感じます。完成した後『ここに住みたい』という妻を止めた程良い物件ができあがりました。おかげさまで満室も続き、安心して息子の代にまで引き継げそうです」。Iさまはそう笑顔でお話しされました。