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設計で差がつく住まいの「防犯性能」
侵入犯に狙われにくい家の条件とは?
侵入犯罪は年々減少傾向にあるものの、警察庁によると令和6年は1万6,000件、1日当たり約44件もの侵入窃盗が発生しています。その発生場所は一戸建住宅が29%と最も多く、住まいをつくるうえで防犯対策は欠かせません。家族が安心して暮らせる住まいを実現するために、侵入者に狙われにくい住宅のつくり方や、日常の行動を解説します。

侵入犯罪は、下見で入りやすい家が選ばれている
住宅侵入犯罪は、決して偶発的に発生するものではありません。侵入者の多くが下見を行い、侵入しやすい住宅を選定しているとされています。
警察庁のサイト「住まいる防犯110番」によると、戸建住宅の場合は侵入経路の5割強が「窓」、次いで「表出入口」つまり玄関となっており、簡単に壊せる窓や無施錠の玄関が狙われています。
窃盗犯は侵入に5分以上かかると約7割、10分を超えると9割近くが犯行を断念するとされており、いかに短時間で入れるかどうかが判断基準になります。
さらに侵入者は「見られやすい」「音や光で気づかれやすい」「侵入に手間がかかる」環境を避ける傾向があり、逆に言えば、死角が多く、暗く、容易に侵入できる住宅はリスクが高いということになります。
つまり、防犯対策の本質は「防ぐ」だけでなく「諦めさせる」ことにあるといえます。これらの条件を設計段階からコントロールすれば、防犯性の高い住まいをつくることができるのです。
侵入者が嫌う“見通しの良さ”をつくる外構計画
防犯上、最初の砦となる外構。外構は住む人のプライバシーを守りつつ、侵入者が嫌がる「見通しがよく、人目につきやすい」環境づくりがポイントとなります。侵入犯罪は隠れることができる場所があるほど発生しやすく、死角の多い外構はリスクを高めます。
たとえば、塀や柵はスリットが入った「見通しはいいが簡単にすり抜けられない」ものや手足をかけにくいつくりのものを選び、生垣には、トゲのある低木が防犯面では効果的で、荒れた印象を与えないよう庭木の剪定はこまめに行いましょう。庭や敷地内には足音が出やすい防犯砂利を敷くと、侵入者が近づいた際に気づきやすくなります。
また、敷地内に脚立・バケツ・室外機など足場になるもの、登れるものを置かないことも大切です。侵入者は、住人が想像もつかないものも足場として利用します。工具や脚立の入っている物置にも必ず施錠するようにしましょう。

侵入の7割は窓と玄関から。開口部の性能で家を守る
侵入窃盗の侵入口が窓と玄関を合わせて7割以上を占め、無施錠とガラス破りという手口が多いことからも、開口部の弱点が狙われていることが分かります。
そこで検討したいのが「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」の採用です。CP部品とは、警察庁・国土交通省・経済産業省と建物部品関係の民間団体で構成された「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」によって「侵入に5分以上かかる」と評価された製品で、17種類3,504品目(令和7年3月末現在)が登録されています。
窓であれば、破られにくい複層ガラス、防犯合わせガラス、補助錠の追加が有効です。玄関ドアは、ピッキング対策のシリンダー錠やサムターン回し防止機能付きのタイプを選ぶと安心です。
また、浴室窓・勝手口・2階窓など、油断しがちな開口部こそ狙われやすい場所。家全体の開口部を均等に強化することが、防犯性の高い住まいづくりにつながります。
夜間の侵入を防ぐ「光」と「気配」の演出
侵入犯罪の多くは、周囲が暗く、人目につきにくい夜間に発生します。そこで有効な対策となるのが「照明による明るさの確保」です。
特に、玄関まわり・勝手口・庭側の窓などは、センサーライトやタイマー照明を組み合わせることで人がいる気配を演出できます。植栽のライトアップなどでデザインと防犯面を両立させるのもいいですね。

また、室内の照明をランダムに点灯させるタイマー機能も効果的です。旅行中や帰宅が遅くなる日でも、生活感を保つことで侵入者の心理的ハードルを上げることができます。
さらに、録画機能付きインターホンや屋外カメラは、侵入者に「記録される」意識を与えるため、抑止効果が期待できます。
照明計画は防犯だけでなく、夜間の安全性や帰宅時の安心感にもつながります。ぜひ、新築時にまとめて検討してみてください。
日常の行動が最大の防犯。家族で習慣化すればより安心
最後に、住まいの防犯性はハード面だけでなくソフト面、つまり住人の日常の行動によっても左右されます。
前述の通り、侵入被害の多くは「無施錠」が原因となっています。ペットの散歩など短時間の外出や在宅時であっても施錠を徹底することが基本です。
また、来訪者はまずインターホンで確認すること、不審な訪問・電話に対応しないことも重要です。近年は宅配業者を装うケースなどもあり、玄関の対応方法そのものが防犯対策の一部となっています。
加えて、地域との関係性も見逃せません。近隣とのコミュニケーションがある環境では、不審者が目立ちやすく、防犯効果が高まるとされています。ご近所への普段のご挨拶のほか、旅行などで長期不在にするときは声をかけておくと安心です。
防犯は「住宅性能」と「暮らし方」の掛け合わせ。家族全員が「自分の家は自分で守る」という意識を持つことで、住まいの防犯性はぐっと高まります。


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防犯性は、安心して長く住める住まいに欠かせない要素です。ケーナインでは、開口部の配置や外構、動線まで含めた設計で「侵入されにくい家」を実現。デザイン性と防犯性を両立する家をご提案させていただきます。CP製品の採用についても、気になる方はぜひご相談ください。