家づくりの
コツ・アイディア

15

今さら聞けない「地鎮祭」「上棟式」って何?
意味合いや目的、マナーなどを解説

設計図面や設備や仕様、建材なども決まったら、いよいよ家の建設工事が始まります。けれど、その前にやっておくべきことがあるのはご存じですか? 一つは長いお付き合いが始まる近隣の方へのご挨拶。そしてもう一つは、古くから行われてきた家を建てる際の行事「地鎮祭(じちんさい)」です。ここでは、棟上げが完了した際に行われる「上棟式(じょうとうしき)」も併せて解説。よく読んでから、これら行事を行うか、簡略するか、ご自身の決断に役立てて。

そもそも「地鎮祭」とは?
何のためにする行事?

「地鎮祭」とは、家を建てる土地の神さまに工事の安全を祈願する行事です。きれいにならされた建設用地に青竹を立てて、しめ縄で囲んだ祭場や、神職さんがお祓いをする様子を目にしたこともあるのではないでしょうか。この地鎮祭のルーツは古く、古墳時代からすでにあったとされ、文献としては日本書紀に記載されている伝統的な習わし。今なお全国各地で受け継がれている儀式です。

地鎮祭には土地を守る神さまの許しを得ること、工事の安全を祈ること、住む人・家族の繁栄を祈ることなどといった意味合いがあります。土地を守る神さまに報告し、祈ることで、末長く安心して暮らしていけるよう願うものなのです。

地鎮祭は実際にどんなことをするの?
儀式の流れを紹介

宗教や希望によって仏式やキリスト教式で行うことも可能な地鎮祭ですが、神式が一般的です。ここでは、施主として知っておきたい、ごく一般的な神式の地鎮祭の流れをご紹介しましょう。

◎1/修跋(しゅばつ)
参列者全員が立ち上がり、神職がお供え物と参列者を祓い清めます。
◎2/降神(こうしん)
神職が神さまをお招きします。
◎3/献饌(けんせん)
お迎えした神さまに、お酒とお水などお供え物を献上します。
◎4/祝詞奏上(のりとそうじょう)
神職が新築の安全祈願の祝詞を奏上します。
◎5/四方祓い(しほうはらい)
お米とお塩、白紙で土地の四隅を祓い清めます。
◎6/地鎮の儀
地鎮祭のメインイベント。
施主、設計者、施工者が、神前につくった盛砂を鋤や鎌、鍬などを用いて掛け声と共に掘る儀式です。
◎7/玉串(たまぐし)拝礼
玉串を祭壇に置き神さまに捧げます。
◎8/撤饌(てっせん)
神職がお供え物を下げます。
◎9/昇神(しょうじん)
一同起立し、神職が神さまにお帰りいただきます。
◎10/神酒拝戴(しんしゅはいたい)
安全を祈願して献杯します。

地域によって異なる点もありますが、地鎮祭はだいたいこのような流れで進行します。当日の服装は、お祝いごとでもあり、終了後にご近所へ挨拶回りをするため、失礼のないフォーマルな装いがいいでしょう。

古き良き儀式を守るケーナイン。
地鎮祭は初穂料3万円~

近年の傾向としては、簡略化したり、省略したりするケースも多い地鎮祭。実際に行うか、行わないかは、お施主さまの気持ち次第です。ケーナインの場合は、一生に一度の家づくりの過程も楽しんでもらいたいという思いから、できる限り実施することをおすすめしています。設計スタッフをはじめ現場担当者や職人たちとお施主さまが一緒に神前で祈念することで、これから一緒に家をつくりあげていく想いが一つになり、円滑なコミュニケーションの礎になると考えています。

ケーナインが地鎮祭をお願いしているのは、八王子にある諏訪大地主(すわおおとこぬし)神社の神職さまです。初穂料は3万円、テントを設営する場合でも5万円で、必要なものはすべてセットしてくれるので安心です。また、竹や砂、椅子など儀式に必要な資材は当社が用意しますが、お供え物やご近所回りの際の手土産など、お施主さまでご準備いただくものもあります。初穂料の渡し方など細かい点や分からないことなどは、担当者がしっかりサポートいたしますので、気軽にご相談ください。

家を建てる際のもう一つの儀式「上棟式」とは?

基礎の上に柱や梁などを立て、最後に屋根の骨組みを組んでいく在来工法は、日本の伝統的な建築方法です。その過程で屋根の最上部に棟木(むなぎ)がつき、家の骨組みが完成したことを祝う儀式が「上棟式」です。その昔は棟梁が仕切り、お餅やお米などを威勢よく撒いたりする光景が見られたものですが、東京近郊の住宅の場合、残念ながらこの風習は殆ど残っていません。

ケーナインでもとくにご要望がない場合、上棟式は行っていませんが、地鎮祭のときにいただいた「上棟札」は、棟上げが完成したら一番高いところに大工さんにつけてもらっています。また、お施主さま立ち会いの電気設備の確認時に、ここまで工事が進んだことへの感謝を込めてお茶菓子などをご持参いただいた場合などは、大工さんにふるまうことで簡単なお祝いの場をもうけることもあります。

Point!

地鎮祭や上棟式など、家の建設時の行事はどういうものかお分かりいただけましたか? 古くから続く風習には意味合いがあり、行うことで人と人の絆が深まり、物事が円滑に進むことも多いのです。また、近隣の家へのご挨拶にもケーナインの担当者が同行しますので、一緒に理想の家づくりを進めていきましょう。