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コツ・アイディア

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住まいの収納【玄関/SIC編】
キレイな玄関で、お出かけも来客も楽しく

すっきりとした暮らしに欠かせない「収納」。ライフスタイルに合わせてつくられた収納は、新生活を便利で充実したものにしてくれるはず。そこで、住まいの収納づくりで気を付けたいことや、マネしてみたいアイデアを複数回に分けてお届けします。今回は、おうちの顔でもある玄関まわりの収納についてまとめてみました。

玄関まわりに収納したいモノは?
基本の持ち物チェックリスト

家族が毎日使う場所ということもあり、気付くと散らかりがちな玄関空間。限られたスペースをスッキリと片付けるためには、モノの定位置を定めておくのが基本です。その準備として、まずはどれくらいのモノを持っているかを把握してみましょう。玄関に限らず、家づくりには必要な作業となりますので、ぜひわが家に当てはめて考えてみてください。

□ 靴
靴の平均所持数は1人あたり10.4足(男性8.2足・女性12.2足)というアンケート結果※1があります。子どもは半分程度としても、両親と子ども2人の4人家族であれば、30足程度の靴が家にあることになります。メンテナンスも兼ねて、一度数えてみてはいかがでしょうか。何年も履いていない靴もあるかもしれません。
□ 傘
見落としがちですが、傘も意外とかさばります。こちらは1人あたりの平均所有数は4.2本※2だそう。地域によっても異なりますが、やはり4人家族では合計10本程度になります。必要ですが、出しっぱなしにしたくないアイテムでもあります。
□ ベビーカー
できれば玄関の外に置きたくないベビーカー。使うのは数年ではあるものの、畳んでもとてもかさばります。
□ 子どものおもちゃなど
小さいときは砂場グッズに三輪車、少し成長してからはサッカーボールなど、土や泥で汚れていることも多い子どもの遊び道具。玄関が置き場所になりがちですが、色や形がバラバラで、出しっぱなしにしていると雑多な印象を与えます。
□ 防災用品
ヘルメットや懐中電灯、救急用品などの入った非常用持ち出し袋。災害時を考えると複数の場所に置いておくのが理想ですが、避難を想定してすぐに持ち出せる玄関にも置いておきたいもの。
□ 趣味のもの
ガーデニンググッズやキャンプ用品、ゴルフバッグなど。屋外に納屋やガレージ収納がない場合は、玄関への収納となるケースがほとんどです。

靴を履いたまま入れる
シューズインクローゼットがあれば便利!

玄関まわりの収納を充実させたい場合、玄関横にシューズインクローゼットがあれば万全です。間取り上は「SIC」と表記され、玄関の三和土(たたき)から床がつながり、土足で出入りすることができる収納です。

シューズインクローゼットの広さは?
1帖ほどの広さがあれば、棚を付けて家族全員の靴などがしまえます。2帖程度でベビーカーやゴルフバッグが、3帖以上あればスポーツサイクルなど大型のものもしまうことができます。
シューズインクローゼットのメリット・デメリットは?

最大のメリットは、やはり玄関まわりがすっきり片付くこと。シューズインクローゼットを経由して家族がふだん出入りする場所と、来客用の入り口で動線を分けられるのもメリットです。

デメリットとしては、スペースを確保したぶん、他の場所が狭くなってしまうこと、ホコリや汚れがたまりやすい場所であるため、こまめな掃除が必要なことがあります。

入り口は閉じる?開ける?

シューズインクローゼットの入り口は、引き戸などの建具で仕切ることもできます。来客時などに完全に隠してしまえるので便利な反面、玄関が狭く感じたり、ニオイや湿気がこもりやすいという難点も。

オープンにする場合は、玄関から視界に入る部分がスッキリして見えるよう、雑多なものは死角に収納するよう工夫したり、日頃から整頓しておく必要があります。

通気性も確保しつつ、ほどよく隠したいならばロールスクリーンやカーテンを設置するのもおすすめです。

マネしたい!
玄関まわりの事例アイデア集

ここからは、ケーナインでご提案した玄関まわりの実例をご紹介します。
使いやすさの工夫をぜひ参考にしてみてください。

シューズインクローゼットに加え、普段づかい用のシューズラックも設置

奥行きをたっぷりとった玄関空間の隣にシューズインクローゼットを設置した例です。シューズインクローゼット内部には上着用のハンガーラックも設けているため、外のウイルスや花粉を家の中に持ち込む心配がありません。棚板の高さもしまうものに合わせて変えられる仕様にしています。

また、対面にも小型のシューズボックスを設置しました。普段づかいの靴やサンダルなどはこちらにしまえば、出入りのたびにシューズインクローゼットまで回り込む必要がありません。急いでいる朝などにも重宝しそうですね。壁と同じホワイトの扉付きで、見た目もとてもすっきりしています。(高津区N様邸)

アール垂れ壁や柄クロスで玄関まわりにフォーカルポイントをつくる

玄関横に、たっぷりとL字型に棚を設置したシューズインクローゼットをつくりました。棚にぎっしりと靴を入れても、入り口をアール型にして連続させ、天井から正面の壁をライン状に柄クロスで彩ったことで、視線が分散されます。天井埋め込みのダウンライトも効いています。

シューズインクローゼットの手前側、土間ではなく廊下の続きに上着やバッグを置けるスペースをつくったところもポイント。帰宅して靴をシューズインクローゼットにしまい、ここでコートを脱いでリビングへ…といった動線がしっかり考えられています。(世田谷区T様邸)

壁一面のシューズボックスは、玄関の採光に配慮

シューズインクローゼットを設けない玄関収納の例をご紹介します。大容量の収納を確保するとなると、玄関に圧迫感が出て暗くなってしまうのが課題です。そのため窓を設けて、その周りを飾り棚として空けています。玄関ドアもガラス入りのものを選び、採光を確保。大型の鏡も空間を広く、明るく見せる効果があります。(狛江市W様邸)

Point!

玄関に限らず、住む人のライフスタイルを映す鏡といってもよいのが収納です。ケーナインでは、お手持ちの家具や荷物の量をヒアリングしつつ、生活動線や将来のライフスタイルの変化も見据えた収納計画をご提案いたします。モノが増えても、片付けのストレスのない住まいを一緒につくりましょう!