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「オール電化住宅」ってどうなの?
光熱費が安くなるってホント?
光熱費が上がっている昨今、「オール電化」が気になっている方も多いのではないでしょうか。オール電化は、お料理や給湯、冷暖房などおうちの中で使うエネルギーの全てを電力でまかなうシステムのこと。光熱費が一本化されるのは便利な気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
オール電化に必要な設備は?
それぞれどんな特徴がある?
1990~2000年ごろから普及し始めたオール電化住宅。2024年に実施されたあるアンケートによると、「あなたのご自宅はオール電化住宅ですか?」という質問に対し「はい」と答えた人は15.3%※。この割合は年々高まっています。
調理設備や給湯などすべてのエネルギーが電気で使えるように、オール電化住宅には以下のような設備が導入されています。
- IHクッキングヒーター
- 電気によって発生した磁場で鍋などを熱する調理器具。炎が出ず火力調整がしやすいため、オール電化住宅以外にも多く導入されています。
- 電気給湯器(エコキュート)
- 空気中の熱を集めてお湯を作る「ヒートポンプ技術」を活用して給湯する機器です。
- 電気温水器
- 電気ヒーターによって水を直接加熱しお湯を作る機器で、エコキュートよりも消費電力が多くなります。
- 蓄熱暖房機
- 深夜電力で熱をためておき、日中に利用する暖房器です。
- 床暖房
- 床下に設置したパイプに温水などを通し、床から室内を温めます。エコキュートで発生した熱を床暖房に二次利用することもできます。
オール電化住宅のメリットは?
火を使わないから高齢者も安心?
普及の進むオール電化住宅ですが、オール電化にすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
- ◇家計の管理がしやすい
- 通常であれば、電力会社とガス会社それぞれから来ていた使用料の請求が電力会社1本になります。支出先がシンプルになることで、前月との比較や家計管理がしやすくなります。
- ◇節約になる場合もある
- 電力会社とガス会社の両方から請求されていた基本料金の負担が減ります。光熱費に関しては、ライフスタイルや使い方によって節約が可能です。これについては後で詳しく触れます。
- ◇安全性が高い
- IHクッキングヒーターの特徴ですが、ガスと違って炎が出ないため引火による火事の危険性が低くなります。ガス漏れの心配もないため、高齢の方がリフォームでガスコンロをIHクッキングヒーターに変えるケースが多くあります。
しかし、もちろん危険はゼロではなく、天ぷらなどに使う油を熱し過ぎると、火種がなくても自然発火します。鍋の下にうっかり鍋敷きやシートなどを挟んだ状態で加熱し、温度センサーが作動せず火災が発生した例も過去にありました。
- ◇お掃除がラクになる
- IHクッキングヒーターはガスコンロのように五徳がなく、天板がフラット。サッとひと拭きでキレイになるため、お手入れがとても簡単になります。
また、オール電化住宅で多く取り入れられている床暖房は、輻射熱で部屋をあたためるため風が起きず、ホコリが舞いにくいというメリットがあります。
オール電化住宅のデメリット!
停電の時は使えないの?
良いことばかりに思えるオール電化。しかし次のようなデメリットがあります。
- ◆導入コストが高い
- オール電化にするための設備は総じてガスより高め。特にエコキュートは工事費込みで30万~70万円程度がかかります。ソーラーパネルや蓄熱暖房機、床暖房なども導入した場合、普通の一戸建てよりも建築費がかなり上がってしまいます。
- ◆停電時に不便
- オール電化住宅では水道以外のライフラインを電気でまかなっているため、停電になると調理機器や給湯、暖房などがすべて使えなくなります。カセットコンロとボンベなどを備えておくとよいでしょう。
ただし、エコキュートの場合はタンク内のお湯が生活用水として使えます。また、大規模災害などですべてのライフラインが止まってしまったとき、ガスや水道と比べると電気の普及が最も早いといわれています。
- ◆専用の調理器具が必要
- IHクッキングヒーターでは、IH対応の調理器具しか使えません。IH対応でない鍋などを使うと、スイッチを入れても鍋が加熱されません。土鍋なども使えないため、これまでガスコンロで使っていた調理器具の多くを買い替える必要がでてくることも。
使う時間帯で電気料金が変わる?
オール電化で気をつけたいポイント
メリットの項で、「オール電化の光熱費はライフスタイルや使い方によって節約が可能」としました。オール電化住宅ではどのような点に気をつけて生活すればよいのでしょうか。
まず、電気は多くの料金プランが、夜間や土日祝日などは安く、昼間は高く設定されています。エコキュートや蓄熱暖房機は料金がおトクな夜間に一日分のお湯を沸かしたり、熱をためることができるため、導入することで節電につながります。それ以外の電化製品についても、タイマーなどを使ってできる限り夜間の運転を心がけるようにしましょう。
また、昼間は仕事や学校で家を留守にする家族の方が、よりオール電化のメリットを活かしやすいといえます。逆に、昼間に在宅している家族が多く、電気をたくさん使う家は、オール電化住宅ではかえって光熱費が高くなってしまうことも。住む人のライフスタイルによって、オール電化にするかどうかを選ぶとよいでしょう。
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オール電化は、住む人のライフスタイルや叶えたい暮らしによって向き・不向きがあります。ケーナインでは丁寧にヒアリングしたうえでご提案させていただきます。また、エコキュートの導入などに際して補助金が出ることがありますので、気になる方は遠慮なくご相談ください。